HSP(敏感すぎる人たち)のために

HSPや内向的な人と、脳の疲労

日本語で「敏感すぎる人たち」を意味する、HSP(Highly Sensitive Person)という言葉を半年ほど前に知りました。1996年に心理学者のアーロン博士が考案した言葉です。

鈍感な世界に生きる 敏感な人たち
イルセ・サン
ディスカヴァー・トゥエンティワン
販売価格 ¥1,620

検索すれば色々な説明が出て来ますし、上記のような日本語の書籍も沢山出ているので説明は省略しますが、簡単に言えば「刺激に対する感受性が強すぎる」といったところでしょうか。光や音、匂いに敏感というだけでなく、人の気持ちがわかりすぎてしまうといったこともあるようです(これは「エンパス体質」とも繋がると思いますが、また別の機会に)。

そして最近読んだ、別の心理学者ヘルゴーローリー博士の著作「内向的な人こそ強い人」

内向的な人こそ強い人
ローリー ヘルゴー
新潮社
販売価格 ¥1,944

の内容も合わせて考えた時、おそらくこういった方々は、人間関係において「前頭葉」と「大脳辺縁系」が過敏に活動しているのではないかと思いました。この本によると、実際、人と関わっている際、内向的な人は外向的な人よりも前頭皮質が活発に動いているそうです。楽しくおしゃべりしている人より、物静かな人の方が脳が活発に動いているなんて!と驚くと同時に、「そうか、だから疲れるんだ・・・だから社交の場が億劫なんだ・・・」と腑に落ちました。また、感覚的なことですが、脳がコミュニケーションにおいて「聴覚や視覚情報以外の何かを拾ってしまう」というのもあるように感じます。

この過敏に働いてしまう脳の疲れを自分で取るには、瞑想やヨガなどといったものが有効だと思います。そして、疲れがひどかったりして人の手を借りたい場合は、頭蓋調整の治療(当院の「内臓矯正」のメニューに含まれます)が特に合っていると感じています。「2人で行う瞑想」とも言われているそうで、実際に瞑想中に見えるような光が見えることがあり、とても納得できます。この治療を行うことで、次に説明するような「脳脊髄液の循環」が改善され、脳の異常興奮を鎮めると思います。鍼灸については、皮膚と脳は発生学的に同じ部位(外胚葉)から生じており、軽い皮膚刺激がリラックス(脳の解放)に繋がることは医学的にも研究され証明されています。

こういった治療がHSPの過敏性の根本解決に繋がるかはまだ分かりませんが、自分ではどうにもならないくらい疲れた時の対策として、選択肢の一つにはなり得ると確信しています。心身を委ねられる空間で体を整えるというのは、過敏な人にとっては大切な時間になるはずです。

(他にはアロマテラピーも良さそうですが、匂いは思いの外、体調・体質で影響を受けやすいので、当院は基本的に利用しません。)

頭蓋調整と脳脊髄液について

頭蓋骨は、非常にわずかな動きで、広がったり閉じたりを繰り返して、内側の液体(脳脊髄液といって脳を保護したり代謝で生じたゴミを排出したりしています)を循環させています。このわずかな動きがスムーズにいっていないと、脳の疲労が起きることはイメージしやすいと思います。この動きを触れる程度の微妙なタッチで改善するのが頭蓋調整です。瞑想よりもより物質的な部分にアプローチしますので、変化が出やすいと思います。

瞑想をしている時に活性化しているといわれている扁桃体・松果体・視床下部も大脳辺縁系の近くですので、イメージを深く使うこの治療では、その一帯に何らかの変化を起こしている気がします。

HSPのために役立ちたいという思い

なぜ、HSPや内向性を治療に結びつけて日常的に考えているかと言うと、自分自身にそういった傾向があるからに他なりません(・・;)

満員電車、人混み、病院、不穏な空気の場、荒い大自然の中、大音量のライブハウスや映画館・・・一緒にいる人は平然としているのに自分だけ疲れてしまう理由が、このHSPという概念によってようやく腑に落ちて納得できつつあります。
私は体調が良ければ気にならないことも多く、「敏感すぎる、というほどではないかな」と思っていてもこうなのですから、本当に敏感すぎる人たちの辛さはそれ以上ということでしょう。

同じ辛さを持つ人たちが、刺激の多い現代社会でも、その気質の尊さを失わずに「これをすれば疲れが取れてリラックスできる」という手段を知って、安心して生活できることを願っています。

※2018年3月、HSPに関する話を新たに投稿しました。