練馬駅・豊島園駅|11:00~19:00|定休:月木|予約制

戻ってきた尿意

変なタイトルにしてみました。

手術後から現在まで

私は3年以上前に開腹手術をしているのですが、術後すぐから現在まで、尿意を感じにくくなっていました。カテーテルが外れた後、午後の検温で看護師さんに「今日はトイレ何回行きましたか」と聞かれて「えーと・・・行ってないですね」と答えたら「え?!行ってください!!」と強めに言われてビクッとなったのでよく覚えています。

担当医には、気になるなら泌尿器科の予約を取りますかと言われましたが、「泌尿器科に行ってどうなるものでもないだろうなあ」「傷が治ってきて鍼灸すれば治るかな」と思い、放置していました。

傷が治ってからは、自分で鍼、お灸、オイルマッサージなどしていましたが、尿意に関しては変化はありませんでした。

尿意を全く感じないわけではなく、膀胱のあたりが重くなってくる感覚はあるのでそれを目安にトイレに行っていて、特に不都合はなかったのですが、体にいいわけはないですし、歳をとった時にどうなるかなという不安は少しありました。

オステオパシーでの改善

その後すぐオステオパシーに出会い、施術に取り入れるようになり、今年の夏からは毎週の勉強会に通っています。メンテナンスと勉強を兼ねて先生の治療を月1回受けているのですが、2回目の治療を受けた翌朝、「あれ、なんかトイレに行きたいなあ」という久しぶりの感じがありました。

そして先日3回目の治療を受けた後、先生に「膀胱と子宮の所、大分剥がれたよ」と言われた通り、治療後は何度もトイレに行きたくなりました。それ以来、尿意が復活しました。元々は股関節の症状の治療をお願いしていたのですが、数年来の症状が予想外に取れて、感動しました。

勉強会でもちょうど子宮へのアプローチを勉強していて、私が受けたテクニックを教えていただいているところです。解剖学的イメージが詳細にできないと曖昧になってしまい、とても難しいですが、これができるようになれば、私のように術後の骨盤内臓の状態に起因する様々な不調に対応できると思って勉強しています。子宮筋腫や卵巣嚢腫にも、変化を出せるようになるのは、女性治療家としては大きな目標の1つです。

骨盤内臓への影響

女性の場合、恥骨の内側には、膀胱・子宮・直腸が並んでいます。さらに腸間膜、子宮広間膜といった膜組織が入り組んでいます。出産や手術でお腹を切れば、この周辺全てに何らかの影響は出てきます。近くにある股関節もですし、それに連なる部位(下方向なら膝・足関節、尾骨や仙骨、上方向なら腰椎・胸椎、腸腰筋などなど・・・)に影響が出る可能性はあります。

術後の不調対策

お伝えしたいのは、

  • メスを入れた手術(帝王切開含む)は必ず、周囲の組織に影響を与え続ける
  • 組織同士の固着が原因で起きる不調は、施術で改善できる
  • 手術・ケガの情報はどんなに昔のものであっても重要

ということです。あらゆる傷は、回復の過程で「瘢痕」といって、元の皮膚とは構成の違う組織が作られます(それが上に書いた「組織同士の固着」を起こしやすくします)。そのため傷がなかった時の状態に完全に戻すことは無理なのですが、正しいアプローチをすれば現状維持はできます。何もせずに放置しておけば年齢とともにそこがより強い固着となり、周辺の関節などにも歪なテンションがかかることがあります。

術後に不調がある方は是非、何らかの治療を受けていただきたいと思っています。

何十年も前の手術、症状と関係なさそうな位置の手術でも、それが原因となっている可能性もありますので、施術者に伝えることは重要となります。私が問診時も施術中も、過去の怪我や手術についてしつこく確認するのはそのためです。

ちなみに、私が自分の尿意に関して鍼灸で改善できなかったのは、セルフケアでの限界だったためで、レベルの高い施術を受ければ鍼灸のみで改善するかもしれません。