今月も、気功練習ができました。私にとって、貴重な身体リセットの時間です。
最初の、基本の立ち方の確認で、
「背骨の気を感じる際に、親指と中指で円を作ったくらいの太さの『プラーナチューブ』をイメージする」
というアドバイスで、具体的な大きさがわかり、イメージしやすくなりました。
踏ん張らない
今回のテーマの1つは、「踏ん張らない」。
私たちがする体の治療も、心の治療も(指導者の先生は精神科の患者さんも診ています)、治療者側が踏ん張った瞬間、そこに緊張が生まれてしまいます。それを避けるために「いかに脱力した状態を保てるか」が重要なのですが、頭で理解するのは簡単なのに、いざ相手からグッと力を込めてこられると、瞬間的に力が入ってしまうので、とても難しいのです。
今回は緩めるコツを教えていただき、形を変えて練習しました。力が入っているのを指摘されるたびに股関節を意識して緩め・・・の繰り返し。
背中側の気を感じる
意識はどうしても、目のある前方に向かいます。その意識を、背中側に広げることで、相手とぶつからなくなるそうです。私たちが年に数回教えていただく気功の達人の先生は、自分の体をお寺にある「梵鐘」だとイメージして、背中側にも気を広げるように言われます。
背中に気を広げる練習のため、いつもの「視覚に頼らずに相手が背中に送ってくる気を感じとる練習」をしました。最初はタイミングが合わないのですが、徐々にフワッとした感覚が皮膚などを通じて感じられ、気を送られた瞬間に分かるようになってきます。
今回はさらに、二人前後に並んで、同じ方向を向いてお辞儀をし、前に立っている人は視界にいない後ろの人と気を合わせ、同時に体を起こす。という練習もしました。難しいし、フライングした時の恥ずかしさ(笑)
「駅などの雑踏で、気を後ろ・左右に広げることで、人にぶつからないように歩いてみる」が宿題になりました。
相手と気を合わせる
前回も少しやりましたが、相手に腕を掴まれたのと同時に、相手の気と自分の気を合わせる練習をしました。これは気の感覚が分かる先生に見てもらいながらやらないとまだ分かりませんが、気が合った状態だと簡単に相手を動かすことができ、動かされる側も、筋力でグッと押されるのとは違った心地よい重さと踏ん張れない感じがあります。
気を合わせても、相手を動かそうとすると、つい触れ合っている接点(腕)の部分を操作しようとして、また力が入ってしまい、気が合わなくなります。
それに気付いて、緩める、合わせる、の繰り返し・・・。
気のボール
練習会では、6パートからなる太極拳の最初の1パート(4分くらい)を通してやることもあります。今回も、「踏ん張らない」を意識しながら、最初と最後にやりました。
太極拳には、両手で気のボールを抱える動きがよく出てきます(冒頭のホワイトボードの写真の片隅に書いてある絵の感じです)。今回、抱える両手の位置バランスが、ほんの僅かでも中心からズレているだけで、人から力を加えられた時にすぐに形が崩れてしまうのに対して、ぴったり中心を捉えて陰陽バランスが取れている時は、どれだけ思いきり崩そうとされても、「?」というくらいにビクともしないことを実体験しました。そういうことに興奮してしまう私は、中心を捉えた感覚を掴むまで、何度も教えてもらいました。
太極拳は、そんなほんの数秒の何気ないポーズの中に、深い深い要素が詰まっているのが、難しくて面白いです。
五体投地
今回は体の使い方としての「五体投地」も教えてもらって、最初と最後に9回ずつやりました。これもまた深いので・・・日々やってみて、何か感じるものがあったらまた書きたいと思います。
緩めて治療しています
翌日の治療から、患者さんに触れる時は自分を緩めることを意識しながらやっています。コリなど硬い部分があると、いつの間にか腕に力が入っているので、また股関節を意識して脱力。を繰り返しています。治療中の会話が上の空になっている時は、そんなことをしているかもしれません・・・。
脱力のためには、力んでいることに気付くことから
自分で「力みに気付いては脱力」を繰り返していて思うのは、首肩こりの患者さんは特に、「いつの間にか力が入っているみたいで・・・」とおっしゃる方が多いことです。私は必ず治療の前後に「力を抜いてください」と言って患者さんの腕を持って上に挙げる検査をするのですが、3割くらいの方は、無意識で自分から腕を挙げてしまいます。もう一度、「力抜いてくださいね」と言うと、半分くらいの方は「あっ」と気付いて抜けるのですが、残りの半分くらいの方は、「え?」と言ってまた自分で挙げてしまいます。
その状態を緩めるのが治療の役割でもありますが、本人が「今自分は脱力できているかな?」と数秒でも自分の体に耳を傾ける意識があったほうが、効果が出やすいし長持ちします。
脱力がよく分からない時は、「一度、もうこれ以上力めない!という限界までグーーーーッと力を入れ、数秒保ってから、一気に脱力する。」というのを数回繰り返すことで、脱力の感覚が戻ってきますので、試してみてください。
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