Instagramで気になった投稿の和訳シリーズ。元記事はNKT(NeuroKinetic Therapy)の公式アカウントから。
本文と和訳
My client who has PTSD and very shallow breathing complained of lower back pain and upper abdominal pain on both sides.
PTSDで非常に浅い呼吸の患者が、両側の腰痛と上腹部痛を訴えた。
He pointed to the QL area and to the diaphragm area.
彼は腰方形筋と横隔膜のエリアを指し示した。
Since the psoas, QL, and diaphragm have a common attachment point on the lumbar spine they can affect each other.
腰筋と腰方形筋と横隔膜は、腰椎に共通の付着部があるので、互いに影響し合う。
NKT testing found the QL overworking and the psoas underworking bilaterally.
NKTの検査で、腰方形筋の緊張と腰筋の低下が両側に見られた。
Released the QL and activated the psoas one side at a time.
腰方形筋のリリースと腰筋の促通を片側ずつ行った。
Then we found the diaphragm overworking and the psoas underworking bilaterally.
すると、横隔膜の緊張と腰筋の低下が両側に見られた。
Released the diaphragm and activated the psoas one side at a time.
横隔膜のリリースと、腰筋の促通を片側ずつ行った。
When we were done his back felt much better and he was able to breathe much more easily.
腰痛は楽になり、より楽に呼吸ができるようになった。
調べたこと
QL = quadratus lumborum:腰方形筋
psoas:腰筋
one side at a time:片側ずつ
bilaterally: 両側性に、両側的に
ネッター解剖学アトラスより
psoasは直訳だと腰筋ですが、恐らく大腰筋+小腰筋のことですね。記事で言っている「3つの筋の共通の腰椎付着部」とは解剖図で見ると主にL1〜L2と思われます。
感想など
動画の1枚目の画像は、横隔膜の右側と右肩を示しているのでこの投稿と関係なさそうです。
文章に突然出てくる「QL」が腰方形筋の略語とは…画像と文章の流れで推測できたのでたどり着けましたが…。
「one side at a time」は最初「片側のAとBを同時に」と訳しましたが意味が通じないので調べたら「片側ずつ」で腑に落ちました。
慢性的な疲労や腰痛を訴える方で呼吸が浅い方はとても多いです。気付かないうちに呼吸が浅くなると、不安感も感じやすくなります。腰痛や疲労感、不安感に横隔膜が関係しているとは普通の人は考えませんし、内科や精神科、整形外科でもそう指摘されることはまずないと思います。この投稿では腰痛と呼吸の浅さの関連だけ述べられていますが、この人は胃の調子も良くないであろうこと、呼吸が深くなり消化器の調子も良くなればPTSDの症状も根治とは言わないまでも軽減できることが推測できます。