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【和訳】前鋸筋の話

Instagramで気になった投稿の和訳シリーズ。元記事はNKT(NeuroKinetic Therapy)の公式アカウントから。

本文と和訳

The serratus anterior is a muscle of scapular stabilization along with the mid and lower trap, lat, pec minor, and rhomboids.
前鋸筋は、中部・下部僧帽筋、広背筋、小胸筋、菱形筋と共に肩甲帯を支持する筋肉である。
When it becomes dysfunctional, movement of the scapula and arm become compromised.
ここが機能不全を起こすと、肩甲骨と腕の動きが障害される。
NKT often finds the pec minor overworking and the serr ant underworking.
NKTではたびたび小胸筋の緊張と、前鋸筋の筋力低下が見つかる。
We also find the serr ant involved in breathing dysfunction and adhesions with the external obliques.
さらに前鋸筋は、呼吸不全と外腹斜筋との癒着に関与している。
This article details its relationships in shoulder problems.
この記事では、肩関節の問題におけるこの関係性を詳述する。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3811730/

調べたこと

serratus anterior = serr ant :前鋸筋
scapula:肩甲骨
trap = trapezius muscle:僧帽筋
lat = latissimus dorsi:広背筋
rhomboids = 菱形筋
pec minor = pectoralis minor:小胸筋
adhesion(s):癒着、固着
external obliques:外腹斜筋

前鋸筋

起始:第1~9肋骨外側、

停止:肩甲骨の内側縁・上角・下角

支配神経:長胸神経

感想など

英文和訳というより解剖学用語の和訳となりました。元々覚えにくい英語の筋肉名をさらに略されると、理解不能ですね…。

調べていてヒットした研究「前鋸筋の形態とその神経支配:機能解剖学的考察(理学療法学Supplement)」で、前鋸筋は上部・中部・下部で筋の走行や支配神経パターンが異なり、特に上部は中斜角筋のスパズムの影響を受ける可能性があるという内容がためになりました。

胃の不調を訴える方の多くは、胸郭の動きに制限があり、呼吸による滑りが起きにくくなっています。それを引き起こしているのが前鋸筋・外腹斜筋のスパズムの場合もあります。長時間のデスクワーク、運動不足で巻き肩になっていたり、過去の事故による衝撃(転倒して前に強く手を着くなど)の影響で無意識の筋緊張が続いていると起こりやすいです。ですので転んだりどこか打った場合は、骨折などなければなるべく早く、鍼灸やオステオパシーなど、ファッシア(軟部組織)にアプローチするタイプの治療を受けていただきたいです。