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セルフケア:鼻うがい

久しぶりのブログ投稿です。

今回のおすすめ、鼻うがい

今回紹介するセルフケアは「鼻うがい」です。これは今まで誰にもおすすめしたことはなく、なぜなら「鼻から塩水を入れて口(または逆の鼻の穴)から出す」という、未経験の方にはなかなかハードルの高い行為だからです。やっている姿もとても人に見せられるものではなく…。

(↓こんな感じで…)

ただ、この数年で鼻の奥の炎症「上咽頭炎」が偏頭痛や自律神経系の不調を引き起こすことが医療界で広く言われるようになってきており(最初に提唱されたのは40年くらい前です)、医師による書籍もたくさん出版されはじめました(Amazonでの一覧)。上咽頭炎への対策はウイルス感染症対策にもなり、コロナ禍においては特に重要なケアだと感じます。また、私自身が普段施術をする中で、過緊張タイプの方の頭蓋の状態を見ていると、鼻の奥(蝶形骨の手前あたり)で気が詰まっている感覚を感じることが多くあり、上咽頭の問題があるのでは?と考えるようになったので、上咽頭を洗える鼻うがいを紹介してみることにしました。

上咽頭炎が引き起こす症状

上咽頭炎が引き起こす症状には、「え、こんな症状も?」というものが多くあります。

日本病巣疾患研究会のサイトより引用しますと

上咽頭炎は免疫システムを介して二次疾患を引き起こすのみでなく、自律神経の調節異常を介して、めまい、嘔気、胃部不快、便通の異常、全身倦怠感、うつなどの不快に感じる様々な症状も引き起こします。

めまい、偏頭痛などの自律神経系の乱れが関与すると考えられる症状をもつ患者さんには、しばしば激しい上咽頭炎が認められ、塩化亜鉛塗布などの上咽頭炎治療を行うと症状が軽快します。そして、自律神経障害に対する上咽頭炎治療の効果は、炎症が関与する二次疾患とは異なり、効く場合には即効性があります。

以下の表も同ページからの引用となります。

慢性上咽頭炎が関与しうる疾患と症状

上咽頭炎による直接症状(放射痛を含む) 咽頭違和感、後鼻漏、咳喘息、痰、首こり、肩こり、頭痛、耳鳴り、舌痛、歯の知覚過敏、多歯痛、顎関節痛など
自律神経系の乱れを介した症状 全身倦怠感、めまい、睡眠障害(不眠・過眠)、起立性調節障害、記憶力・集中力の低下、過敏性腸症候群(下痢・腹痛など)、機能性胃腸症(胃もたれ、胃痛など)、むずむず脚症候群、慢性疲労症候群、線維筋痛症など
病巣炎症として免疫を介した二次疾患 IgA腎症、ネフローゼ症候群、関節炎、胸肋鎖骨過形成症、掌蹠嚢疱症、乾癬、慢性湿疹、アトピー性皮膚炎など

堀田修 「道なき道の先を診る」2015年. 医薬経済社

(引用ここまで)

解説の中に「上咽頭炎治療」とありますが、これは医師が診察の上、必要と判断した場合に行うものです。今回はセルフケアレベルの話ですので、触れません(私は1度体験したことがあるので、興味がある方は来院時に聞いてください)。

鼻うがいのやり方

上咽頭炎が引き起こす症状を紹介しましたが、炎症が起きていなくても、上咽頭を清潔に保つことがとても重要なことは明らかです。そのために有効かつ簡単なセルフケアが「鼻うがい」です。

やり方は以下の「みらいクリニック」の先生が解説されているページが、動画も解説もあってわかりやすいです。

鼻うがい

コツは水の温度を適温にすること、生理食塩水で行うこと、耳に水が入らないようにすること、1日2回くらいまでにすること、かなと思います。

個人的には「鼻から入れて口から出す」ことで上咽頭を洗えていると思っていたのですが、こちらを読むと「鼻から入れて逆の鼻の穴から出す」ことで洗えているそうです。体感としては、口・逆側の鼻、どちらからでも出せるようになると広範囲を洗えて良い気がします。

上記ページで紹介されている洗浄キット(サイナスリンス)は、今回紹介するにあたって私も購入して試してみたところ、かなりオススメです(それまではマグカップに塩水を作り、自分で吸い上げる方法でやっていたのですが、逆の鼻の穴を塞いで行うので、口から出すしかありませんでした)。気軽にできるようになったので、毎日最低1回行っています。

キットは以下からも買えます。リフィルはなくなったら自分でも食塩で作成できますが、やはりサッと作れて便利なので、リフィルは多めが良いです。


注意点

鼻うがいの禁忌疾患について、上記「みらいクリニック」様のリンクに記載されているので、実行する際は必ず全てをよく読んで、自己責任で行ってください。やり方に気をつけないと耳に水が入りますので、中耳炎になりやすい方は要注意です。耳鼻科に通院されるような疾患がある方は、行う前に担当医に相談するのが良いでしょう。

自分の体験からの注意点としては、鼻うがいが終わったあとしばらくは「ふとした拍子に鼻から水がしたたり落ちてくる」ことです。副鼻腔は複雑な形をしているので、ここに水が入ると、後からちょっとした顔の角度で垂れてくるようです。慣れるまでは、終わってすぐ出かける予定のないタイミング(夜など)に行うのがおすすめです。