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患者さんインタビュー『不調になっても、戻ってこられる』

2022年2月から通院いただいている方とお話をしていて、様々な不調を乗り越えてきた中での気付きは、今お辛い症状でお悩みの方の参考になるのではと思い、詳しくお話を伺いました。

患者さんの情報

Iさん、60代前半(2022年2月初来院時)
インタビュー日:2026年8月

来院までの経緯

まず、4年前に初めて来院された時の状況を教えてください。

来院前の1年間(2021年)、いろいろな不調が続いていました。

3月には腎盂腎炎による血尿とお腹の不調。
9月には胸痛や不眠があり、寝込んでしまいました。マンションの改修工事の騒音が原因だったと思います。
その後も頻尿や血尿、残尿感、尿路感染症などが続いて、病院で検査や治療を受けました。12月頃に、「これは根本治療をしないと」と思い、いろいろ調べ始めました。
一番つらかったのは、食欲がなくなったことと、騒音のストレスで胸が苦しくて眠れず、寝込んでしまったことですね。

いろいろな症状が重なっていた時期だったんですね。鍼灸よりもまず病院で必要な検査を受ける、というのは当院の基本方針でもあるので、その後の来院で良かったです。その上で、なぜ鍼灸を受けてみようと思われたのですか?

「全身を見てもらえるところを探していました」

もともと、通っていたバレエの先生の紹介で整体に通うようになり、そこで鍼をすすめられて、受けたことがありました。どうしても取れない筋肉の緊張などを緩めてもらう中で、「鍼でこそ解決するものがあるんだろうな」と感じるようになりました。
その後、身体だけの問題ではないように感じる不調が続いた時に、ちょうどバレエ教室と同じ建物にこちらの鍼灸院がオープンしたのを見つけて、ピンと来て、思い切って予約しました。
決め手になったのは、ホームページやブログです。「自分の今の状況を、この先生も経験している!」と思ったんですよね。
具体的には、自己紹介ページにある
「やっと全身を診てもらえた」
「病院や薬は、私の症状を根本解決してくれるところではない」
「オステオパシー」
という部分です。
カイロプラクティックにも通っていたのですが、「筋膜」を重視するオステオパシーや、ホメオパシーなど、より深く「全身を見る」ことに興味がありました。

最初の治療を受けてみて、いかがでしたか。

とにかく身体がすごく楽になったのを覚えています。「心地よい」というイメージが一番近いかな。それで、その後も通うようになりました。

身体を整えていくうちに、少しずつ見えてきたこと

通っていただく中で感じた変化などあれば教えてください。

今振り返ると、冒頭のいろいろな不調が出たのは、その前年に母を突然亡くした影響もあったのかもしれません。ショックで心は凍ったままなのに、
「平常心を保たないと」
「普通に生活していかねば」
「身体を前に進めなくちゃ」
と、頑張り過ぎていたんでしょうね。それに気付かず、
「なんでこんなに身体が辛いんだろう、眠れないんだろう、食べられないんだろう、病気?内臓がおかしい?」と、表面的にしか考えていなくて……。
治療を受けながら、心と身体に負担をかけていたことに、徐々に気付かせてもらいました。食欲も出てきて、体重も戻ってしまいました(笑)。悲しみを乗り越えるには、楽しいこと・好きなことをたくさん体験しなくちゃだめだと気付きました。

そうだったんですね。ストレスや環境の変化などで緊張が強くなると、身体の不快感が増して、それによってさらに不安になったり、また身体に力が入ったり……という循環が起こることがあります。施術で身体がゆるんだことで、緊張していたことにご自身で気付いて、元気を取り戻せたのだと思います。

「不調が出たらどうしよう?」が変わった

その後、最初の頃のような症状はどうですか?

長く続いているものは、ほとんどなくなりました。

通っている間も、五十肩になって痛みや不安で眠れなくなり、病院で睡眠導入剤を出してもらっていたこともありましたし、今も気候の変化などで調子を崩すこともあります。
以前は、こういった不調が出た時、病院に行ってもよくならないとどうしたらいいのか不安で、気持ちも落ち込んでしまいがちでした。でも今は、鍼灸や気功、自分なりのケアを見つけて、

「何かあっても、いつかはまた戻れる。自分で戻ってこられる」

と思えるようになりました。

それは、すごく大きな変化ですね。

本来の自分に戻るための「引き出し」

今は、不調が出た時にどんなことをされていますか?

こちらで、深い鼻呼吸の方法と、肋骨の後ろ側も広げるように意識して呼吸するのを教えてもらって、この2つの組み合わせがお気に入りです。目が疲れたり、考えすぎて脳が過熱状態になっているなーという時とかにやっています。

それ以外は、

【愛用漢方】六君子湯、(茯苓飲合)半夏厚朴湯、五苓散、呉茱萸湯
【運動】大好きな音楽を聴きながらウォーキングマシンに乗っています。水泳も泳ぐより水圧や浮遊感を楽しみつつ、ちょっぴり負荷をかけるくらいでやっています。
【呼吸】気功講座の教えを自分なりに続けています
【冷え】お腹を温める、猛暑の時にこそ熱いお湯を飲む、夜寝る前には身体にアイロンをかける感じで「ゆるストレッチ」

などです。

「また戻ってこられる」という安心感

本当にたくさんありますね。

人は誰でも、困った時や落ち込んだ時に、Iさんのように自分で自分を立て直すための「引き出し」をいろいろ持っておけるといいですね。

人を頼るのも1つです。病院に行ったり、鍼灸を受けたり、誰かに話を聞いてもらったり。ただ、人はいつでもそばにいてくれるとは限らないし、必ずしも自分が期待したような反応をもらえるとは限りません。

その点、深い呼吸、温める、好きな音楽を聴く、自然に触れる、身体を軽く動かすなどは、いつでも自分にしてあげることができるので特におすすめです。

できれば元気な時に、「これをすると気持ちいいな」「これをすると落ち着くな」というものを少しずつ見つけておけるといいですね。

そうですね。今は体調や気分が下り坂になっても「そのうち戻ってこられる」という自信がついたというか、安心感があります。

体調や気持ちが落ち込こむこと自体を、完全になくすのは難しいです。
「不調にならない自分」を目指すのではなく、「不調になっても、また戻ってこられる自分」になっていく。
それができれば、これから先も心強いですよね。

はい。
今回、これまでのことを振り返る良い機会になりました。

お辛かった頃のお話も、詳しく聴かせていただき、ありがとうございました。

掲載しきれない部分もあったほど、とても詳しくお話しいただきました。

不調からくる気分の落ち込みでお辛い思いをされている方も少なくないと思います。今回のお話が、そのような方に届けば嬉しいです。

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